黙示録

趣味について気ままに書き記します。

「神様になった日」ティザーPVから作品考察をする

2020年5月10日、ニコ生にてオリジナルアニメ「神様になった日」の告知がされた。

 

kamisama-day.jp

 

いわゆる「泣きゲー」と呼ばれるジャンルで2000年代を席巻し、2010年代にはオリジナルアニメの脚本も手掛けた麻枝准氏による、オリジナルアニメ第三弾である。

放送開始予定は2020年10月。この記事を書いている時点で既に放送まで半年を切っているということになる。

麻枝氏のオリアニ放送は祭りである。

Angel Beats!」「Charlotte」(以下、前二作品)放送時、連日2chが大いに盛り上がっていたのは記憶に新しい。それが5年ぶりに帰ってくるのだ。

その当時の盛り上がりを体感するとともに、当事者意識を高めることで作品への没入感をより高めることを狙いとして、本記事を執筆する。

 

注1:著者は考察記事などはもとよりブログの執筆自体初めての経験である。不慣れな点や分かりづらい点が多々見られると思うのでご容赦いただきたい。

注2:本記事には非ロジカルな妄想の部分も多々含まれる。ご注意いただきたい。

注3:本記事ではこれまでの麻枝氏の作品のネタバレを一部含んでいる。ネタバレを望まない方はご注意いただきたい。 

 

ティザーPV

まず本稿をお読みいただくにあたり、以下のPV映像をご覧いただきたい。


Key×アニプレックス×P.A.WORKSオリジナルアニメーション企画第3弾「神様になった日」ティザーPV

 

以下、PV中のテキストを文字起こししてみた。

 

 

2010 Angel Beats! ここから挑戦は始まり—
2015 新境地〈フロンティア〉を目指した Charlotte
そして
2020 時計の針は 再び動き始める
その先には、立ち返る原点があった—

 

Key ANIPLEX P.A. WORKS
オリジナル・アニメーション企画 第3弾

 

彼女 は目覚めた
世界 の終わり を見届けるために
彼女は ひとりの少年を選んだ その お供として—

 

キャラクター原案 Na-Ga
アニメーション制作 P.A. WORKS
原作・脚本 麻枝准

 

彼女が 神様に なった日、
世界は 終焉へと 動き出した。

 

「神様になった日 The Day I Became a God」

 

2020年10月
麻枝准は、原点へ回帰する—。

 

 

本稿では、上記のテキストから黄金の碑文*1よろしく作品設定を考察、というか妄想していく。

 

PVを観た所感

前二作品もそうであったが、麻枝オリアニの放送前PVはバケモノ感がすさまじい。
それには映像表現的な美しさと、そしてBGMの存在が大きいだろう。Angel Beats!放送開始前、Theme of SSSを無限ループしていた方々も多いのではなかろうか。

本PVも、聴いた瞬間に麻枝サウンドや...と感じられる美しいピアノ伴奏で彩られている。変拍子・転調・大サビで足されるバイオリンメロディ、、、

スタッフクレジットは現時点でまだ明かされていない部分が多いが、PVの楽曲を聴く限り、恒例の麻枝准×ANANT-GARDE EYESのタッグだろうか。

 

さて、本PVでは二つの楽曲が使用されている。

一つ目は、前述したタイトル・スタッフクレジットまでに使用されている楽曲。そして二つ目は、特番告知から使用されている楽曲である。

 

この後者の楽曲、過去作品で既出のものでないのであれば、主題歌・劇中歌としてボーカル楽曲があると考えていいだろう。

明らかにボーカルラインのメロディが付けられており、なおかつコードも付けられている。著者は音楽理論にさほど精通してはいないが、ざっくり聴いている限り小室進行がつけられているように思う。


小室進行100曲メドレー作ってみた。 【同じコード進行の曲】

動画のとおり、小室進行は夏影や一番の宝物など、麻枝作品の勝負曲(と著者は勝手に考えている)として用いられがちなコード進行であり、この楽曲が麻枝作曲の勝負曲であることが伺える。音源化が待ち遠しい。

 

世界観

シナリオ

著者は、本作がループもの*2作品になるのではないかと考える。
理由としては、PV中にこれでもかというほど繰り返し登場する時間表現である。
具体的には、

・タイトルロゴ含め、何度も描写される時計盤

・冒頭 2010→2015→2020 のような時間の流れを意識させる構成

・「時計の針」「回帰」という表現

これらは時間遡行を強く想起させる表現であり、ループが何らかの形でシナリオに関わってくるのではないかと考えられる。

 

一方で、このような「神様になった日=ループもの」説に対する反例も考えられる。

 

第一に、時間表現が必ずしもループ表現には結びつかない点である。
PVで協調されている「終焉」「終わり」といったワードから、劇中では世界の崩壊(それが戦争などの結果としての現実的なプロセスによる終わりを指すのか、ファンタジー・空想的なプロセスによる終わりを指すのかは現時点では不明)が何らかの形で描写されるのは間違いない。その崩壊へのカウントダウン表現として時間表現が強調されている、とも考えられるのである。

 

第二に、これはメタ的な考え方にはなってしまうが、前作「Charlotte」がゴリゴリのループものであった点である。
Charlotte」の内容については最終話の描かれ方があまりにも雑すぎて失望したショックから記憶が欠落している部分が多いが、たしか主人公・乙坂有宇には実は兄貴がいてタイムループを繰り返して裏で奔走している、といった内容だったと記憶している。つまりゴリゴリのループものである。前作で使用したループもの設定のカードを本作でも切るか、ということを考えるとループもの説は説得力に欠けてしまう。

 

これについては今後、漸次解禁されていく情報も踏まえて考えていきたい。

 

舞台設定

 「少年」の登場するカットから、舞台となる世界は普通の現実世界であることが読み取れる。

問題は、舞台となる世界がそのひとつであるかどうか、である。

麻枝作品ではAIRCLANNADをはじめ、多世界設定*3が用いられることが多い。ヒロインの格好がインデックス*4のようなこの世ならざる者の装束を身にまとっていることを考えると、彼女が別世界の住人であり、現実世界の「少年」と交錯する物語になる、と考えることもできなくもない。

 上述のループもの説と、前作Charlotteで多世界設定が用いられていなかった(はず...記憶が無い)ことを踏まえると、本作が多世界設定となる可能性は十分にある。

 

登場人物

PV中に登場するのは「彼女=ひな」「少年」、の二人のみである。

主人公が誰なのかについては、現時点ではっきりと明記されていない。「彼女=ひな」なのか、「少年」なのか、あるいはそれ以外なのか...誰になるか次第で物語の方向性・結末は大きく変わるため、今後の情報に注目したい。

 

また別の焦点として、登場人物はこの二名だけに絞られるのか、新たな人物が今後追加されていくのか、追加されるとしたらどれほど増えるのか、が挙げられる。

Angel Beats!のように登場人物が多すぎると収拾が難しくなるが、Charlotteでは登場人物を絞ったことにより人物間のやりとりに目新しさを感じなくなってしまった(と著者は感じた)。放送尺も考慮して、うまいバランスを期待したい。

 

人物設定も気になる部分である。「彼女=ひな」のインデックスコスプレは神になった結果としての産物なのか、あるいは彼女が全く別世界の住人であることを示唆しているのか。

そして「神様になった」ということは神ではない状態があったわけで、それが人間なのか、人間以外の生物なのか...これは考えすぎなのかもしれないが。

 

気になった点

本稿では、上記以外でPV中の気になった点を箇条書きでまとめる。本稿のみ箇条書きとなった理由は、書くのに疲れたからである。

 

言い回し関連

・「そのお供」
"お供"という表現が意味するものとは

・「原点」
単なる、麻枝准作品の中での原点を意味するのか
「ループもの説」で述べた、時間遡行の結果として辿り着いた世界を意味するのか

・「終わり」
繰り返し登場する「終わり」「終焉」が意味するものとは

・「見届ける」

なぜただ「見届ける」だけなのか
世界の終わりを食い止める、といったことにはならないのか

 

視覚表現関連

・波紋
タイトルロゴの背景に現れる波紋
-リトルバスターズ!において波紋がひとつの大きなトリガーとなっていただけに、こういった細かい表現の意味にも目を向けておきたい

・消失表現
タイトルロゴ・一部欠けた「日」、テキストが砕け消えていく表現
-世界の「終焉」を意味するのか
-あるいは「彼女=ひな」や「少年」の消失を意味するのか

・タイトルロゴの「魚」
-何かの観賞魚のように見えるが...ビジュアルだけで判断できる魚に詳しい方、教えてください
-この魚が意味するものとは

 

結び

 

メモ書きのような形で綴るつもりであったが、書いてみると思った以上の分量になってしまった。

今後、本作の新しい情報が解禁されれば新たな考察記事を書くかもしれない。

ひとまず、5月24日に放送される特番を観た上で考えよう。

*1:同人ゲーム「うみねこのなく頃に」シリーズに登場する暗号文。劇中ではこの碑文に沿った見立て殺人が起こっていく

*2:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%82%E3%81%AE

*3:複数の世界が同時に進行していき、だんだんと交わっていく、といいた世界観設定。麻枝氏が自身のバイブルとしている、村上春樹世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」から着想を得ていると考えられる

*4:ライトノベルシリーズ「とある魔術の禁書目録」シリーズに登場するメインヒロイン。シスター。歩く教会。10万3000冊。